2次試験合格すれば資格もらえると思ってたのに。。。実務補習って何するのかな?合格率はどれくらい?いつ、何日くらいやるの?いくらかかるのかな?免除してもらえない?
この記事ではこれらの疑問におこたえします。
■この記事の内容
- 中小企業診断士試験 実務補習の概要
- 受講しなくても登録する方法もあるよ
- でも実務補習のメリットたくさんだよ
私は令和元年の5月に中小企業診断士として登録されました。
前年の春頃に中小企業診断士試験の受験を決意し、独学3ヶ月で1次・2次を合格、実務補習を修了しました。幸運にも短い期間で全ての受験を終えることができました。
そして登録の数か月後には実践デビュー、さらに数か月後には診断協会事務局にお世話になるという1年前には想像もしていなかった展開に。これはまた別の機会に記事にしたいと思います。
3ヶ月独学ストレート合格を果した方法は特別ではなく、私自身もありふれた30代のサラリーマンです。こんな私でも合格できた勉強法などを紹介していきたいと思います。今回は実務補習の概要について説明いたします。特に、意外と知られていない免除要件は要確認です。
ちなみに体験談(前半・後半・必読書)はこちら。
まずは条文を確認
中小企業診断士の登録には、試験に合格し、①実務に15日以上従事するか、②実務補習を15日以上受講する必要があります。今回説明するのは、第1条第1項第2号のイによる実務補習についてです。
(中小企業診断士の登録の条件等)
第一条 中小企業支援法(昭和三十八年法律第百四十七号。以下「法」という。)第十一条第一項第一号の経済産業省令で定める条件は、同項の規定による登録(第二節から第四節を除いて以下単に「登録」という。)の申請の日前三年以内に、中小企業診断士試験(法第十二条第一項の試験をいう。以下単に「試験」という。)に合格し、かつ、次の各号のいずれかに該当することとする。
一 当該合格の日から当該申請の日までの期間において、次のいずれかに該当する実務に十五日以上従事したこと。
(略)
二 当該合格の日から当該申請の日までの期間において、次のいずれかに該当する実務補習を十五日以上受講したこと。
イ 経済産業大臣が第二十条第一項の規定に基づき登録する者(以下「登録実務補習機関」という。)が行う実務補習出典:中小企業診断士の登録等及び試験に関する規則
いつやるの?期間は?
例年、2~3月、7月8月9月に実施されます。
合格後の3年間のうちに15日間以上受講することが要件となります。
注意していただきたいのは、時期によって受講期間が異なる事です。
2~3月は、15日コースと5日コースがありますが、7月8月9月は毎月の5日コースのみです。15日コースでも5日間をワンクールに3回実施することになるので、実質的な違いはありません。
5日間は連続する5日間ではありません。標準的なパターンだと、金・土・翌週の土・日・月となります。週末2日受講して、平日飛ばして翌週末に3日受講になります。
これは平日フルタイムで勤務している方には結構ハードなスケジュールになります。
まず、金と月は平日なので会社を休まなければなりません。受講は朝から夕方まで、地方であれば受講会場が遠方であることが多いですので、早朝から夜遅くまでかかります。金・土の次の日曜日が休みになってますが、大量の宿題がありますので実質的に休むことは出来ません。間の平日も宿題をこなさなければなりません。ですので、ワンクルールあたり2日間会社を休み、2週間分の土日は休めず、間の平日夜も宿題に追われることになります。結構きついです。
これが15日コースだと、ワンクール終えた週末に次のクールが始まりますので、1月半くらいは全く休みがありません。つらいです。
ですが独立している方は土日なんてない、年中仕事だと聞きますので、その働き方も疑似体験できるということでしょうか。
ちなみに令和2年のスケジュールは以下のとおりです。
なにするの?
座学はありません。実践です。
4人くらいのグループで協力企業様に訪問してヒアリングします。チームで現状分析・改善案を協議し、診断報告書にまとめます。再度企業様を訪問し報告書を説明します。これがワンクールで、計3社の診断を行います。まさに実務です。指導役の先生が各チームについて、進め方や考え方を教えてくれます。
合格要件や合格率は?
15日間参加すれば全員合格となります。
ですが、ハードスケジュールのためか毎年体調不良等によりやむを得ず途中離脱される方もいるようです。もしも参加出来なくなった場合は、不足する分を別の日程で受講すれば大丈夫です。
いくらかかるの?
受講料だけでおよそ15万円かかります。
会場は全国7箇所だけですので、遠方になる場合が多く交通料金や宿泊費もかかります。また会社勤めの方は有給や欠勤が6日必要になります。さらにはチームメンバーとの懇親会なども開催されます。トータルで30万円程度はかかると思っておいた方がいいです。
ちょっとそういうのはだるいので免除とかないですか?
あります。
それが実務従事です。
公的機関だけでなく、民間や個人が行う中小企業の診断・助言または窓口相談の業務が要件とされています。
個別の事例でどこまで認定されるかは分かりませんが、要件や説明書きを見る限り、いわゆるコンサル会社や銀行等が行う中小企業の経営支援業務は認められるようですね。自分の場合はどうかなと思ったら協会に問い合わせてみてください。
出典:J-SMECA
個人的には実務補習を受講することをお勧めします。
費用も時間もかかるしとてもハードではありますが、日頃診断士業務に触れていない方にとっては、現役の診断士先生の実務に触れる貴重な機会となります。また同期の診断士とは一生のつきあいにもなります。何年たっても毎年集まっているという話しをよく聞きます。
実務補習で何を得るか?
もしあなたが、民間コンサルティング会社に勤め、中小企業の再生案件など財務DD・事業DDや改善計画の策定に携わったことがないのであれば、実務補習の経験はこれまで経験したことのないものになるはずです。
これまで参考書を相手にしてきたあなたが実務補習で対峙するのは、実在する会社を経営している社長です。あなたの診断士としての覚悟が試されます。何年何十年と経営を実践してきた社長に対して、知識を得て試験をパスしただけの自分に何ができるのか。自分のバックグラウンドの専門性を頼りに枝葉に終始するか、大上段から知識を頼りに経営論を語るか。中小企業診断士とは何者で、誰に何をどのようにするべきか、自分にはその資格があるのか自問自答することになります。
指導役の先生によっては、非常に厳しかったり、非常にゆるく自由にさせてくれたり、人によるようです。チーム内で喧々諤々の議論を交わす場合もあれば、なんとなくさらっとまとまることもあります。
こんな経験があなたを待っていますので、是非楽しみにしていてください。
私が実際に受講した際の様子、予め準備しておけばよかったことなどは別の記事にまとめたいと思います。
体験談(前半・後半・必読書)はこちら。
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