【体験談】実務補習第1クール(後半)

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実務補習の前半を読んだけど大変そうだな。後半は何をするのかな?最終日の報告会とか緊張しちゃうよ。怖い。

こんな不安にこたえます。

■まとめ

・中小企業診断士試験の実務補習の体験談を語る
・今回は第1クールの後半部分

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私は平成最後の実務補習15日間コースを受講しました。前回に引き続き体験談の後半を語りたいと思います。前回の記事はこちら。

そもそも実務補習って何?って方はこちら。

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翌日曜日から金曜日まで

溜まった仕事を片付けながら課題をこなす。
ヒアリング時に企業様に追加でお願いしていた資料をリーダーが受領してメンバーに共有。新たに明らかになった事実に基づき方針の修正などをメールやラインで協議する。進捗状況を確認しながら次の集合日の前までに作成データをドロップボックスへ。コミュニケーションツールとして、メールやラインを、情報共有ツールとしてはドロップボックスを利用するチームが大多数だったようです。

当然ながら受講生のITスキルは人それぞれで、年齢層もバラバラだけど50代以降も多く、中にはメールも使ったことないという人もいたようです。診断士は個人で活動する人が多く、インプットからアウトプットまで一人で完結する必要があります。またクライアント先のIT活用も業務範囲に入ることが多いので、人並み以上のITスキルが求められます。一方、金融機関では業務上メールやofficeソフトを使うことが少ない場合もあるようで、四苦八苦される方が多いようです。

基礎資料と1時間程度のヒアリングという限られた情報の中から全体で60ページ前後、担当部分で10ページほどの報告書を書かなればなりません。企業様のためを想えばこそ、もっと綿密な調査が必要ではないか、だが時間は限られている、企業様が必ずしも好意的に協力してくれるとも限らない、あくまで実務補習だからという気持ち、それでも最大限企業様の成長につながるようなことをしたい、個々人でもメンバー間でも様々な想いが錯綜します。

入手したデータをまとめながら、そもそもマーケティングってなんだ?と基本書を読み返し、不足する知識を求めて本屋をさまよったり、自分の知識のなさを嘆き、何を勉強してきたのかと後悔したりします。それでもアウトプットを出さなければいけないので、自分に言い聞かせるように一般論として基本書の要約や図解をまとめ、企業様の現状を記し、課題を抽出し、僭越ながらと注釈を入れつつ、考えられる対策案を書き上げる。きっとこんなアイデアベースの案、とうの昔に試したことはあるかもしれない。そもそも診断士として、論理が飛躍しているただのアイデアを提案していいものか。葛藤を繰り返しながら担当部分を書き上げ、緊張しながらドロップボックスへ保存する。まだ誰からもデータの投稿がない。

ちなみに企業様が取り扱うのは某食品。小さい頃から何度も食べたことのある、スーパーでもおなじみの商品。この1週間、人生で一番この食品を食べた。デパ地下、スーパーの棚を調査し価格帯や特徴でポジショニング分析しながら大量買い。毎日外食でこの食品を注文して食べ歩く。調査を言い訳にして食べ歩く。おいしい。ダイエットしてたはずなのに完全に爆食モードに突入。

3日目(土曜日)

今日も早朝から新幹線に乗り会場へ向かう。メンバーからラインで「少し遅れます」のメッセージ。少しって何分だよ?と思いながらも、このくらい緩くていいよねと安心する。
会議室にぞろぞろとメンバーが集まる。各地のお土産を持ち寄る。昨日は夜中まで作業していた、全然寝ていない、そんな人もいる。

これからの3日間のスケジュール。最終日は報告会。企業様に再度訪問し報告書を説明する。明日の夕方までには報告書を必要部数印刷しなければならない。会場に印刷機はないので文具店かコンビニで印刷する。明日の昼過ぎには原稿を完成させ先生のチェックを終えたい。となると、明日の午前中は微修正しかできないだろう、各自の原稿を合体させ書式を整える時間も必要だ。ということは今日のゴールは、報告書の中身の確定だ
まずは各自の宿題を共有。各自説明。なんだかんだで一人の説明で30分はかかる。全員で3時間。午前中が終わった。

ここからは全体のバランスや他のパートの検証・ツッコミ。ここでどこまで突っ込むか、リソースの制約との戦い、チーム合作なので自分の思い通りにはならない。でもそれで本当に企業様の役に立つのか。各々が控えめながら真摯に大人の対応をする。先生によっては激しくダメ出しし大幅な書き直しを命じることもあるようだが、我々の先生は放任主義。試験を合格したプロなんだからお任せします、とのこと。いいような、悪いような。
そんなこんなで夜9時。お開きに。となりの会議室はまだまだ明るい。中には誰かの家に泊まり込みで作業なんて話も都市伝説的にあるとか。
ホテルに戻り、自分の作業の続き。伝える相手は企業の社長様。伝わりやすいように、専門用語は使わず、図やイラストを用いて分かりやすく。

4日目(日曜日)

今日も朝から全員集合。各自のパートを再確認して1つのファイルにまとめる。実はこの作業が地味に面倒。人によって書式が違う。タイトルの位置、フォント、サイズ。図表の影や枠線、出典の書き方、位置などなど。2日目にみんなである程度の書式は統一したつもりだったけど甘かった。認識のズレは大きい。よほど丁寧なすり合わせが必要だ
そういえば協会指定の様式もあった。企業概要や財務分析については協会からひな型が提供された。協会指定のシステムがあり財務分析はそちらで行うことができる。ちなみにこちらのシステムは有料で、実務補習の期間だけ無料で利用できる。

先生に確認いただきOKを貰う。印刷所に向かう。1部60ページほどを10部くらい。企業様分、メンバーと先生分、協会提出分、全てカラーにすると2〜3万円かかる。我々は自分たちの分は白黒にして8千円ほどで抑えた。実は1クールごとに5千円の経費が渡される。使い道は自由。諸々の経費で全く足りない。印刷所までの移動や印刷時間で2時間くらいはかかる。出来上がるとそれなりのボリュームで持ち歩きが大変だ。

準備はできた。時刻は夕方5時。順調な仕上がりだ。他のチームはまだまだ終わっていないとのこと。よし、最終日は終わり次第帰るので、今日のうちに打ち上げをしよう。短い時間ながら濃い時間をともに過ごした。次のクールは人が入れ替わる。寂しさを感じる。ほどなくしてホテルに戻り、報告会の予行練習を一人で行う。

5日目(月曜日)

一度会場に集合し、みんなで企業様のもとへ向かう。今日は調査報告会だ。報告は1時間程度と言われた。一人10ページで5人だから1ページ1分、1人10分程度。協議時間も欲しいのでなるべく完結にシンプルにしよう。

報告会がはじまった。まずリーダーから報告書の全体像と内外環境について説明。丁寧だ。とても丁寧な説明だ。書いてある文章をそのまま読むほどに。25分が経過した。リーダーよ。残りのメンバーでポイントを絞り端的に説明した。

残念ながら社長にはあまり響かなかったようだ。部分的に食いついていただけた箇所もあったが、今後のアクションにつながる期待は持てない。確かに、不十分なヒアリング、不十分な調査、不十分なロジック、不十分なプレゼン、不十分な覚悟、どれもが社長を満足させるものではなかった。報告会はあっという間に終わった。終わった安堵感はなかった、不甲斐なさだけが残った。それは他のメンバーも同じだった。

このような機会をいただいた企業様に感謝したい。

会場に戻り、振り返りを行う。他のチームも振り返りを行っていた。我々のチームの振り返りが終わり、隣の話を聞いていた。「社長に説明するときの手の動きをもっと〇〇した方がいい」「テーブルにジャケットのボタンがあたってカチャカチャ音がして気になった」「ペンで刺してはいけない」「緊張しすぎ」などなど先生から多くの指摘があった。なるほど、気をつけよう。

そして最後に全体でひとりひとり感想を述べた。解散。

おわりに

これで実務補習第1クールの実体験は終わりです。実務補習で実際に何をするのかイメージいただけたでしょうか?この週末から第2クールがはじまりますので、火〜木はつかの間の休みです。ですが溜まった仕事をかたづけなければいけません。さらにすぐに次の企業の情報についてメールが飛んでくるので下調べしなければいけません。これを繰り返すので大変です。

第2、第3クールは繰り返しになるので体験談は以上となります。総じてかけがえのない経験になりました。診断士実務の一端に触れたことで、目指すべきもの、備えるべきスキルやマインドが分かりました。また実務バリバリの先生から仕事や生活の生々しい話もたくさん聞きました。信頼し切磋琢磨できる仲間にも出会いました。受ける価値ありです。実務要件を満たしている方も実務補習を受ける価値ありだと思います。

どんな企業様でどんな課題があり、どんな提案をしたのか、気になる方もいるかも知れませんが、個別の企業様のことはなるべく触れないようにしました。また別の機会でケーススタディ的な記事を書きたいと思います。

つづきはこちら。

前半はこちら。

実務補習の概要はこちら。

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