ロジカルに考えるってなんですか?
「あなたの話はわかりづらい」って言われたことがあるんだよな。中小企業診断士試験にロジカルシンキングは役に立つの?
この記事はこんなお悩みにお答えします。
- 「なぜ?なぜ?」と考えて逆から説明する
- 漏れと重複がないように考える
- 相手に伝わってこそ意味がある
- 短期合格の秘訣はロジカルシンキング
私は中小企業診断士1次試験に3ヶ月の勉強で全科目合格し、その後の2次試験もストレートで合格することができました。
その背景には、かなり以前からロジカルシンキング、リーガルマインドや論理学に興味を持ち、それなりのトレーニングを積んでいたことがあると思います。
そこで中小企業診断士試験とロジカルシンキングの関係について考えてみました。
ロジカルシンキングは数学的?
ロジカルシンキングは国語の話じゃないの?
もちろんロジカルシンキングが求めらる場面は、文章や会話なので国語の範疇にあります。ですが同時に数学の範疇にあるとも言えると思います。
では、あなたは学生時代に文系と理系どちらでしたか?
私は文系と理系に区分けすることがとてもナンセンスだと感じていました。
なぜなら、どちらも学ぶことは論理だからです。理屈と理屈のつながりです。
国語と数学の違いは、極端に言えば、国語が扱う言葉には曖昧さがあるということだと思います。
曖昧さが大きい言葉の集合が情緒的な物語となり、逆に、可能な限り曖昧さを排除した言葉の集合が評論文であり、さらに厳密にしたものが法律といったイメージでしょうか。
後者では厳密さを求めるので、言葉の定義づけを行い、解釈の多様性が生じないよう努めています。
その厳密さの極値が数字であり、数字と記号の集合である数学ではないでしょうか。
そして、学生時代の試験やビジネスにおいて求められる国語力は、叙情的な解釈の力ではなく、ほとんどの場合は誤解のないコミュニケーション、つまり厳密な論理だと思います。
そうであれば、国語も数学も我々が求めるものは論理であり、その意味においては文系と理系の区別は意味をなさず、一般的なイメージの数学にむしろ近いのではないでしょうか。
中小企業診断士試験は1次試験2次試験で膨大な範囲と応用力が問われます
どの教科にも共通する科目、そして2次試験で最も重要な科目が論理、ロジカルシンキングだと思います。ロジカルシンキングを制するものが試験を制すると言っても過言ではないでしょう。
ロジカルシンキングは「なぜ?なぜ?」
具体的にロジカルシンキングってなんのことなの?
ちょう簡単に言えば、「こうかな?」って思ったことについて、「なぜ?なぜ?」と自問自答することです。
ロジカルか否かは、結論と根拠の整合性が取れているかどうかということです。
この根拠を確認する作業が「なぜ?なぜ?」です。
これは結論となる仮説を出発点としていて、現実の場面でよくある状況だと思います。感覚的になんとなく「こうかな?」って結論を考えて、「ほんとにそうかな?」って根拠を確認していきます。
中小企業診断士試験は、「知識=結論であり、その背景=根拠」=論理です
知識に対して「なぜ?なぜ?」と問いかけることで、根拠と理屈を学ぶことができます。答えから逆算で学んでいく。これが最短合格につながります。
抜け漏れや重複はないですか?
もう1つとっても重要な事があります。
それは、考え方に抜け漏れや重複がないことです。
世の中には2種類の男しかいない。俺か俺以外か。 by ローランド
抜け漏れや重複がありません。美しく完璧です。
男には、俺か俺以外かイケメンがいる。
なんかすっきりしなくて気持ち悪いですよね。
重複があります。「俺か俺以外」の中にイケメンもいればそうでないかたもいるでしょうし、そもそも比較する次元が異なっています。
抜け漏れや重複を防ぐには、図解するとよいと思います。
会議などで議論していると、主張と反論が噛み合わないことがよくあると思います。その原因の1つに、抜け漏れや重複がある場合があります。なんかおかしいな?と違和感を感じたときには、ホワイトボードや紙に図解してみるとよいでしょう。
中小企業診断士試験2次試験では、問題点の分析、課題の設定、対策の立案が求められます
その際に、「人・もの・金」や「ソフト・ハード」などの抜け漏れや重複のない切り口が求められます。
ただし試験の回答で「①〜面では、②〜面では、」と分けることにあまり拘る必要はないと思います。
「ふぞろい」やWebの記事を見ると、無理に切り分けようとしておかしな日本語になっているものも見られます。もしかしたら別の参考書籍や予備校などでおすすめしている解法なのかもしれません。
問題によっては、必ずしも回答に抜け漏れ重複なく網羅的に記述する必要がないことも多々ありますので、状況に応じて柔軟に対応して欲しいと思います。
相手に伝わってこそ意味がある
ロジカルシンキングというと「シンキング」だから考え方の話でしょ?
でも実は伝え方も同じです。
なぜなら、どのように伝えるのが一番良いかと言えば、相手に誤解なく伝わることが一番ですよね?
つまり、論理的に伝えることが最も効果的です。
例えば、事象ABCから結論を導く場合、
「〜だから、また〜なので、さらには、〜なので、つまりは(結論)です」と話しがちです。
ですが、これは効果的ではありません。
まず結論、そして根拠。「(結論)〜と考えます。なぜなら、(根拠)〜だからです。」
受け手は(結論)に納得すればゴールです。伝え手の根拠に興味はありません。
でも(結論)に疑問がある場合、受け手は「なんで?」と思います。そこに伝え手の(根拠)がやってきます。
ですので受け手の中で疑問と回答(Q&A)が成立し、すんなりと理解できるようになります。
中小企業診断士2次試験では、結論→根拠と根拠→結論を使い分ける
中小企業診断士試験の回答は100〜200文字程度に制限されます。
この程度の長さであれば、結論から書いても、根拠から書いてもどちらでも大丈夫です。
短期合格の秘訣はロジカルシンキング
中小企業診断士試験は1次試験と2次試験で膨大な範囲の学習が求められます。
これを短期間で突破するには、各科目の共通項目である論理を鍛えることが近道だと考えます。
そしてこの論理は、知識の内容そのものと勉強法等の両方に有効です。
知識については、ある理論や考え方を学ぶ際には、「なぜ?なぜ?」と考えながらテキストを読んだり自分で考えたりすることで、さっと眺めるよりも知識が定着します。
勉強法は過去問を中心に、分からないところを「まとめテキスト」で学習するというものでした。これはまずは(結論)を確認し、「なぜ?なぜ?」で遡って学習する方法です。
どちらも試験対策に限ってこの方法を学んだわけではありません。
ロジカルシンキングを学ぶことで、論理に整合性がとれないことや、抜け漏れや重複があることに違和感や気持ち悪さを感じるようになります。
そして違和感や気持ち悪さを解消するために、自然と根拠を探したり、整合性の取れる切り口を考えたりするようになります。
難点としては、自分で書いたり喋ったりしながら、気持ち悪さを感じることです。
これは中途半端に学んだ私のような人に生じる症状です。違和感を感じるほどには上達したものの、論理の流れるような文章を書いたり、喋ったりがすぐには出来ないレベルということです。
とはいえ、論理的に結論を導く流れと、結論から相手に伝える流れは真逆なので、頭で考えながら同時に伝えることはできません。と思いましょう。
ロジカルシンキングを学ぶにあたって、上場企業のサラリーマンは全員読んでるんじゃないかってくらいなのがこちら。巷には無数のロジカル本がありますがこちらが原典です。
そしてさらに学習をすすめたい人向けが、同シリーズのライティング本。
そして私が一番オススメしたいのはこちら。
高校生の頃に取り組み、飛躍的に学力が向上しました。はず。教科書にして欲しいくらい。
論理のつながりの確かさの基本を学ぶことが出来ます。つながりに疑いをもつことができます。
その論理、飛躍していませんか?
でも何がどのようにおかしいのか、うまく言葉にできない、反論できない。くやしい。
そんな方におすすめです。
詭弁や統計のウソにだまされないでください。
でもあんまり理屈っぽくならなように気をつけてください。
ではまとめです。
- 「なぜ?なぜ?」と考えて逆から説明する
- 漏れと重複がないように考える
- 相手に伝わってこそ意味がある
- 短期合格の秘訣はロジカルシンキング
コメント